痛みでお困りの方、こんばんは。

今日は痛みについてお話していこうと思います。

痛みの正体は電気信号です。電気信号を脳が認知して「痛い!」と感じるのです。
ですから痛みは脳の働きと深い関係があります。
この電気信号を脳が感じなければ人は痛みを感じないのです。

それから、痛みには大きく分けて2種類の痛みがあります。
「早い痛み」と「遅い痛み」です。

とくに重要なので「遅い痛み」について詳しく話します。

患部に傷ができたりして患部が連続して大きな刺激を受けると、脳が交感神経を緊張させます。
交感神経が緊張すると血管が収縮します。

血管が収縮すると血流が悪くなります。
血液の役割は細胞に酸素と栄養を運ぶことですから、血流が悪くなると筋肉組織の酸素が欠乏します。

組織が酸欠になると、酸欠を解消するために血液から発痛物質が産生されます。
つまり、遅い痛みの正体は発痛物質なのです。
発痛物質とはブラジキニン、プロスタグランジン、セロトニンなどのホルモンです。

こうした発痛物質が、知覚神経の先端にあるポリモーダル侵害受容器にぶつかると電気信号が発生します。
その電気信号が脳に伝わり「痛み」を感じます。

「遅い痛み」はこのようなメカニズムで発生します。

また、怒りや不安などの精神的な要因も痛みを感じさせる原因になります。

痛みには脳の働きが関与しますから、外部からの刺激がなくても痛みを感じることがあります。
とくに怒りや恐怖、不安などのネガティブな感情を抱え続けていると、交感神経や運動神経が緊張します。

「嫌だなぁ」と感じているときは、脳だけでなく全身で「嫌だなぁ」という状態になるのです。
怒りを感じているときは全身で怒っているのです。
動物を見ても怒っているときはわかりますよね。
背中の毛も逆立つし、全身で怒りを表現しています。
情動が器官にも影響を与えるのです。

ですから、怒りや恐怖、不安な状態が長く続くと、患部が刺激を受け続けた時と同様に、交感神経緊張⇒血管が収縮⇒末梢の血流が悪くなる⇒組織の酸素欠乏⇒発痛物質の産生・遊離⇒神経が電気信号を脳に伝達⇒痛みの発生となるわけです。

脳は、痛みを感じると同時に不安や怒りなどの感情も同時に感じます。
日頃からストレスをたくさん感じていたり、ネガティブな感情を感じやすい人ほど、脳は痛みを増加させてしまう傾向にあります。

痛みを発生させるような外的な刺激が一切なくなったのにもかかわらず、慢性的に痛みを感じ続ける人もいます。
次に慢性痛発生のメカニズムを紹介します。

人間には自然治癒力がありますから、基本的には自然治癒するはずです。
しかし、放っておいて治る人と治らない人がいるのです。

痛みがなかなか良くならないと不安や恐怖を抱きます。
不安や恐怖は痛みを増加させます。痛いとまた不安になります。
しまいに痛みそのものがストレスとなり、常に交感神経を緊張した状態が続きます。
交感神経が緊張すると⇒血管収縮⇒血流悪くなる⇒組織の酸欠⇒発痛物質⇒痛み という悪循環が続いてしまうのです。

痛みが痛みを引きおこすのです。このような痛みの悪循環がくり返されると、脳にそのような悪循環サイクルが記憶されてしまうのです。
その結果、わずかな刺激でも痛みを感じるようになったり、慢性的に痛みが続くという状態(慢性痛)となるのです。

ここで、参考までに・・・

痛みの知覚には個性がある   

「脳の検索(下)」・・脳から精神と行動を見る・・フロイド・E・ブルーム他著  久保田 競  監訳   講談社


痛みの知覚は、脳の科学の他のほとんどの領域と同様に、複雑です。痛みの知覚は一人一人異なりますし、同じ人でも、時とともに異なります。痛みの経験は部分的には生理学的経験によります。痛みに対する感受性はおそらく、一方の極では痛みをまったく感じない人から、他方の極では(おそらくは、何らかの理由によるエンドルフィン産生の障害によって)ほんのちょっとしたでっぱりや摩擦に対しても、ひどい痛みを経験する人まで、広い範囲に散らばっています。しかし、生理学的な違いを離れて、ある人が痛みを経験する仕方は、その人が文化、親戚、家庭の環境から何を学んだかといった過去の経験に依存しています。それは、その人が、痛みを引き起こす出来事をどのように位置づけるかという意味に依存しているのです。また、それは、注意の度合とか、不安、忠告といった、その時々の心理学的要因によっても異なってきます。文化的学習や社会性の獲得は、明らかに、人の痛みの知覚を形作っています。

どうです?参考になりましたか?

つまり、痛みは脳で感じるのですから、体の痛みから始まったのではなく心(身)の痛みが脳を通じて体にサインを出しているのです。

もちろん、交通事故や外傷は別です。

ではでは、今日はこのへんで・・・奈良県の天理市からお送りしました。

                              すかやか治療院  筒井崇之